みなさんは、妊婦さんや赤ちゃんのために、災害時にとりわけ気を付けなければならない健康トラブルについて知っていますか?
公衆衛生医師でもあり、長らく母子保健事業に取り組んできた吉田は、新型コロナウイルスのパンデミックによる急性期を経て、慢性期に入り、すべてがコロナありきになった今、新たな災害が起きたときにどうすればいいか。ずっと考えています。
東日本大震災や熊本地震での母子支援活動では、紙おむつやミルクなど母子向けの物資が少なく、あっても在宅避難や車中泊の人に届けられていない現実がありました。乳幼児を抱える母親は周囲に気兼ねして避難所を避けるケースが後を絶ちません。
昨秋、台風19号が発生したとき。自治体から避難メールが来ましたが、一番下の子が生後3週間で授乳中でした。本来なら避難しようよと言う立場なのに、いざ当事者になると濁流が流れる自宅前の道に出るのは怖いし避難先の小学校の様子もわからない。防災グッズや食料を確認して自宅にこもりました。
従来の避難所ではなく、在宅で身を守るにはどうしたらいいのかーー。そうした研修を始めた矢先のコロナ禍。感染拡大防止の観点からも、自宅、ホテル、親戚宅などへの分散型避難の必要性は高まるでしょう。妊婦や乳幼児連れには向いています。
ただ心配なのは、分散型避難と避難所避難とで支援の格差が生まれること。避難所に届いた物資をもらえず、食料だけでもとお願いしても家があるだけいいよね、と言われてしまう事例もあります。食べ物の恨みは怖くて、格差はその後の地域の連帯にも影響する。コロナ禍における物資の配布方法や拠点作りについて、自治体とともに事業計画や提案を練っているところです。
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災害後は、毎日が、それまでの日常生活とは異なる変化の連続で、不安定な状況であり、子どもにとっても、大人にとっても、大きなストレスです。ストレスで心と体のバランスが崩れると
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